こんにちは!
今日は最近読んだ小説「ABC殺人事件」を紹介します
著者はアガサ・クリスティーで、名探偵のエルキュール・ポワロが登場します
有名な作品なので、タイトルは知っているという方も多いと思います
ポワロ宛に「ABC」と名乗る人物から殺人の予告上が届き、Aという土地でAがイニシャルの人物が殺害されます
その後もBという土地でBがイニシャルの人物が殺される予告状が届き、犯行が繰り返されます
ポワロは「ABC」の犯行を止めるため、灰色の脳細胞を駆使して犯人に迫っていきます
こんな人におすすめ
「ABC殺人事件」はこんな人におすすめです
- ミステリーの古典に興味がある
- 意外な展開を期待している
- 犯人当てに挑戦したい
あらすじ
あらすじを簡単に紹介します
名探偵エルキュール・ポワロのもとに、一通の手紙が届きます
「ABC」と名乗る人物からで、ポワロに対する挑戦状を送りつけてきたのです
その内容は、ABCが予告した日にアンドーヴァーという土地で事件が起こるというもの
この手の手紙がポワロに届くのは日常茶飯事なので、最初はそこまで気にしていませんでした
しかし、手紙で予告された日に、実際にアンドーヴァーで事件が起き、イニシャルにAが付く人物が殺害されます
また、現場には「ABC」というタイトルの鉄道案内が置かれていました
殺されたのは女性で、日ごろから元夫にひどい扱いを受けていました
当然警察は元夫が怪しいと考えて事情聴取しますが、彼にはアリバイがあり、犯人とは特定できませんでした
数日後に再びポワロ宛に手紙が届き、今度はBが付く土地でBがイニシャルの人物が殺害されると予告されます
そして、その予告どおりにまた事件が起こってしまいます
Bの土地でBがイニシャルの人物が殺害され、遺体のそばにABCの鉄道案内が置かれていました
今度の事件では被害者の恋人である男性が怪しまれますが、彼にもアリバイがありました
ポワロはこれが連続殺人であると確信し、事件が続くことを確信します
ポワロの予想通りに再び予告状が届き、Cの土地でCがイニシャルの人物が殺害されます
事件の被害者の関係者に順番に話を聞いていたポワロは、ふとしたきっかけで三人に共通した会った人物の特徴を見つけ出します
果たして、ポワロは犯人を突き止めることができるのでしょうか?
そして、犯人の目的とは?
ネタバレあり感想
ここからはネタバレありで感想を書いていきます
「ABC殺人事件」未読の方はご注意ください
犯人の目的
「ABC殺人事件」の犯人の目的は、
「連続殺人の中に自分が成し遂げたい殺人を紛れ込ませること」
でした
犯人が本当に殺したかった人間は一人だけで、その殺人を連続殺人鬼の犯行と見せかけるために他に三人の被害者を殺したのです
とても大胆な発想ですし、思いついても実行できるものではありません
一般的な精神構造の持ち主であれば、連続殺人によって自分の殺人を隠すメリットよりも、連続殺人によって自分の手がかりを残してしまう可能性があるというデメリットを恐れると思います
フィクションでしかお目にかかれないサイコパスですね
このような特殊な人物の精神構造に触れられるというのも、物語の魅力です
しかし、彼はただの狂人ではありません
自分が真犯人だとバレないために、あらゆる手を尽くします
ポワロに挑戦状を送ったのも、ポワロに勝つために人を殺しているという狂気の殺人鬼像を作るためでした
自分を容疑者から外すため、戦争帰りで精神が不安定になってしまった人物を殺人犯に仕立て上げようともしていました
その人物はストッキングの訪問販売をしている行商人で、真犯人の誘導によって全ての犯行現場付近に足を運んでいました
物語の途中で突然前触れなくこの行商人のことが描写されて、読者としてはどうしてもこの人物が怪しく思えます
また、四人目の被害者が出た直後にも、この行商人が血の付いたナイフを洗うシーンが描かれ、より疑いを強めます
しかも名前が
アレクサンダー・ボナパルト・カスト
イニシャル「ABC」です
これらの描写の全ては、ミスリードでした
真犯人はカストを上手く利用し、自分を捜査の目から遠ざけていたのです
また、物語の中で真犯人が明かされる前に、読者の立場からそれが誰であるか特定するのは相当難しいと思います
ちなみに私には無理でした
真犯人特定の手がかりとして示されるのは二番目の被害者の殺され方と、ポワロが被害者の関係者たちにした意味深な質問のみです
私が気づいていないだけで他にも色々示されているのかもしれませんが
まとめ
今日は「ABC殺人事件」を紹介しました
ミステリーの古典ですので、現代の傑作に比べるとそこまできっちり伏線が張られているわけではありません
しかし、その分真相がわかったときの驚きは大きくなりますし、読者を騙すための仕掛けはしっかりと用意されています
何よりも、「ABC殺人事件」というタイトルに惹かれます
タイトルだけでどんな事件なのか気になってしまう作品は早々ありません
機会があれば読んでみてください
今日も最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!
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