こんにちは!
今日は最近読んだ小説「盲目的な恋と友情」を紹介します
辻村深月による作品で、書店に平積みされていたのを見つけて読んでみることにしました
例によって本の帯のあおりがとても興味をそそる内容で、
「大どんでん返しを超えるちゃぶ台返し!」
みたいなことが書かれていました
実際に読んでみると、正直そこまでのちゃぶ台返しはありませんでした
真相が明らかになったときは驚きもありましたが、どちらかと言うと
「何やってんだ、こいつ…」
という戸惑いが大きかったです
こんな人におすすめ
「盲目的な恋と友情」はこんな人におすすめです
- 誰かを盲目的に想ったことがある
- 恋と友情のどちらが大切か考えたことがある
- ミステリー要素のある作品が好き
あらすじ
「盲目的な恋と友情」は二部構成で、第一部のタイトルは「恋」、第二部のタイトルは「友情」です
第一部と第二部では語り手が変わり、同じ時間軸で起きた出来事が違う視点から語られます
また、第一部では謎だったことも第二部では真相が描かれます
この物語の売りでもあるかもしれませんが、同じ出来事を語っているはずなのに、語り手が違うと全く別の解釈がされていてとても面白いです
第一部の主人公は蘭花で、第二部の主人公は留利絵です
二人は同じ大学のオーケストラで出会い、社会人になってからは蘭花が結婚するまで一緒に暮らしていました
物語のラストは蘭花が友人代表として留利絵を指名するシーンになっています
ここでは第一部のあらすじを紹介します
主人公の蘭花は大学生一年生で、学内のオーケストラに所属しています
オーケストラでは外部から指揮者を招いて指導をしてもらっています
彼の名前は茂実星近(しげみほしちか)
とても精悍な顔立ちをしていて人当たりが良く、女子学生からとても人気があります
また、師匠の手伝いで海外に行くことも多く、未来を期待されている指揮者のようです
実際蘭花も憧れていましたが、茂実は四年生の先輩と付き合っていました
大学二年生の秋、とあることがきっかけで茂実と蘭花の距離は急速に近づきます
やがて二人は付き合うようになります
蘭花は幸せの絶頂でした
しかし、ある日泥酔した茂実をマンションまで送り届けた際に、衝撃の光景を目の当たりにします
なんと玄関先から師匠の妻が出てきたのです
その妻は蘭花を気に留めることもなく茂実を介抱し、そのまま部屋に入っていきました
絶望した蘭花でしたが、それでも茂実への気持ちが冷めることがありませんでした
その後、茂実と師匠の妻の関係が師匠にバレ、茂実は業界から追放されます
茂実は堕ちるところまで堕ちましたが、蘭花は茂実を支え続けようとしました
やがて茂実は蘭花に手を上げるようになります
限界を迎えた蘭花は茂実と別れようと陸橋で話す約束をします
翌日、茂実が陸橋の下から遺体で発見されました
蘭花は警察から事情を訊かれますが、彼女にはアリバイがありました
第二部の主人公である留利絵が、自分と蘭花は一緒に映画を観たと証言したのです
実際、数年経っても蘭花が逮捕されることはなく、勤め先で出会った後輩との結婚式の日を迎えます
果たして、茂実の死の真相とは…?
ネタバレあり感想
ここからはネタバレありで感想を書いていきます
「盲目的な恋と友情」未読の方はご注意ください
盲目的過ぎる主人公
この物語に登場する主人公は、タイトルどおりどちらも盲目的です
第一部の主人公は恋に溺れ、第二部の主人公は友情(ただしかなり一方的)に溺れます
どちらも特定の人間関係に依存するのですが、個人的には第二部の主人公である留利絵のほうが依存度が高く、異常性も高いと思います
留利絵は第一部の主人公である蘭花の親友になりますが、独占欲がものすごく高いです
蘭花が自分に話していないことを他の女友達に話しているのを知ると嫉妬し、その友達のことが嫌いだと蘭花に告げます
また、蘭花が茂実を殺したときには証拠隠滅と偽証で蘭花のことを守りましたが、蘭花が結婚して自分と暮らさなくなるとなった途端に警察に自分が持っていた証拠を提供しました
結果的に蘭花は結婚式の当日に警察に連行されてしまいます
しかも、それに対して留利絵は
「なぜ、披露宴のタイミングでないといけないの?」
と本気で憤ります
私としては
「何言ってんだこいつ…」
状態です
留利絵が蘭花を警察に売った理由は、蘭花が自分だけを頼りにするように仕向けるためです
蘭花が逮捕されることで結婚がダメになり、自分の元に戻ってくることを狙ったものだと思われます
留利絵は常日頃から、蘭花はもっと自分に感謝するべきだと考えており、自分がどれだけ蘭花に尽くしてきたか蘭花にわかってほしがっていました
蘭花が留利絵に期待の応えるような行動をしなかったのか、留利絵はいつも不満を抱えていました
その結果が自らの手で蘭花を犯罪者にするという行為につながります
留利絵の行為は明らかに人の道を外れていますが、相手に勝手に期待をして、自分の思い通りにならなかったために勝手に裏切られたと感じることは少なからずあると思います
私も自分の考えや感情を表現するのが苦手なので、このような悪循環に陥ってしまうことがあります
しかし、第三者目線で留利絵のことを見ていると、
「自分の思いを表に出してしていないのに相手に伝わるわけないだろ…」
とツッコミを入れたくなります
このツッコミは自分にも入れるべきですね
留利絵のように取返しがつかなくならないようにするためにも、大切に思っている人にこそ自分の思いや考えをきちんと伝えるべきだと思いました
当たり前のことではありますが、この小説を読んであらためて気づかされました
まとめ
今日は小説「盲目的な恋と友情」を紹介しました
同じ出来事でも話し手によって全然違う印象になる、とても面白い構成の物語です
また、自分が他人にどれだけ勝手な感情を抱いているかということも考えさせられます
機会があれば読んでみてください
今日も最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!
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