こんにちは! パドルです
今回は最近読んだ小説「探偵は教室にいない」を紹介します
第28回鮎川哲也賞受賞作で、川澄浩平による小説です
北海道に暮らす中学生が体験する日常の小さな謎を友達に解き明かしてもらうお話です
小説はそれぞれ独立したショートストーリー4本で構成されていますが、時系列順には並んでいます
殺人のような大きな事件は起こらず、差出人不明の手紙の主を突き止めたり、家出した主人公がどこにいるか突き止めたりと、現実の世界でもときどきありそうな謎を解決していきます
こんな人におすすめ
この小説はこんな方々におすすめです
- 殺人事件のような重いストーリーが苦手
- ミステリーが好き
- 学園ものが好き
あらすじ
ここからは、「探偵は教室にいない」のあらすじを紹介します
先ほども書いたとおり、この小説は4本のショートストーリーで構成されています
ここでは主要な登場人物と最初のストーリーのさわりを紹介します
主人公は北海道に住む中学二年生の真史(まふみ)です
彼女は身長が高くバスケ部のエースとして活躍しています
真史があるとき下駄箱をチェックすると、手紙が入っていました
読んでみると、どうやらラブレターのようです
そこには真史のプレーに憧れていること、真史のことが好きであることが書いてありました
しかし、差出人の名前はなく、ラブレターに書いてありがちな呼び出し場所の指定もありません
いったい誰がラブレターを出してきたのか自分なりに考えてみますが、真史には差出人を特定することができませんでした
そこで、真史は昔仲が良かった歩(あゆむ)に相談することにしました
彼とは疎遠になって数年が経っており、会うのは久しぶりでした
歩は学校には通っておらず、真史は歩の家にお邪魔することになりました
真史の話を聴いていくつか歩が質問し、真史がそれに答えます
すると歩は差出人がこんな人物なのではないかとプロファイリングを始めます
歩のプロファイリングにあてはまる人物を、真史は一人思いつきます
しかしその人物は、当初真史が全く想定していない人物でした…
魅力紹介
ここからは「探偵は教室にいない」の個人的な魅力を紹介していきます
歩のキャラ
歩は学校に通わず、基本的には自宅で暮らしています
かといって引きこもりというわけではありません
スイーツ大好きで、気になる商品があれば店に買いに行ったり、食べに行ったりすることもしばしばです
そして推理力は抜群です
真史の話を聴いただけでたいていの謎は解き明かしてしまいます
安楽椅子探偵といったイメージです
このキャラ設定ですが、DEATH NOTEのLに近いものがあるなと感じました
歩と真史の関係性
また、真史との距離感が徐々に変わっていくのも面白いです
物語冒頭では数年ぶりに再会したこともあり、
「探偵と依頼人」
という割と他人行儀な関係性でした
しかし、真史の持ってくる謎を一つ一つ解き明かし行くにつれ、少しずつ信頼関係が生まれていきます
「探偵は教室にいない」では
「数年振りに再会した幼馴染」
という関係性で終わりますが、
次回作ではもう少し進みます
この進み方が本当に一歩一歩と形容するにふさわしく、読んでいて応援したくなります
私自身、いきなり距離を詰めることもできなければ詰められることも苦手なので、この少しずつ仲良くなる過程がとても楽しいです
そして、謎を解き明かすのは歩の役目ですが、解き明かされた真実をどうするかは真史に委ねられています
真史は真実を人に伝えることもあれば、胸の内にしまっておくこともあります
真史が真実を受け止めたうえでどう判断するかも見どころになります
中学生らしい理由で悩むこともあれば、自分でもこの場合はどうするか悩むな、と思わされることもあります
自分が真史の立場だったらどうするかを考えながら読んでいくのも面白いです
まとめ
今日は小説「探偵は教室にいない」を紹介しました
日常にあふれている謎を解き明かしていくストーリーになっていて、読んでいる私も
「実際にこんなことがあるかもしれないな」
と思いながら楽しく読んでいました
謎を解き明かすということに重きを置いて読めばミステリー小説ですが、歩と真史との関係性や真史の悩みながらも前に進んでいく姿に注目しながら読むと、ジュブナイル小説としても楽しめます
機会があれば読んでみてください!
今日も最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!
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